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【エジプトと日本の違い】平凡=落伍!?従業員の特徴

ピラミッドとスフィンクス

 

エジプトでビジネスをする場合、差別化するために日本の強みを持ち込んでしかるべきところと、日本の常識を持ち込んでもうまくいかないところがあります。

 

日本の常識が通じない場合というのは、エジプトで人が育つ環境が、本質的に日本と大きく異なるために、価値観のレベルで相容れないことが原因です。

 

今回は、エジプトと日本の違いとして、従業員としてエジプト人を採用する場合の特徴を、その原因からお伝えします。

 

 

■途上国というだけでない、不安定な経済状況

 

まず、エジプトは日本と比べれば、まだまだ途上国と呼べるような経済状況にあります。

 

具体的には、貧富の差が激しく、社会福祉も行き届いていない中で、平均所得ではほとんど食べていくのに精いっぱいというレベルです。

 

更に、中東地域の不安定な政治状況を受けて、景気や物価が急激に変わることが当たり前のような社会にあります。

 

そんな社会で求められるのは、規則に従順になり、物事を丁寧に進める能力ではなく、不意な出来事にも柔軟に対応する適応能力です。

 

エジプト人は日本人よりも機転が利く部分やハプニングに強いところがありますが、変化の著しい社会に対応する能力を身に着ける一方で、規則を軽視したり、時間を守れなかったりする性格であることを、まず理解しておく必要があるでしょう。

 

 

■重要なのは組織ではなく、個人のコネと家族

 

次に、エジプト人が生活の中で何を重視するかですが、日本人との違いを端的に上げるのであれば、組織でなく家族を、社会制度でなく宗教的な道徳を重視します。

 

エジプトの社会福祉はまだ発展途上にあり、例えば個人が破産したようなときにも、セーフティーネットとなり得るのは家族や友人など、個人的な紐帯です。

 

日本人であれば、会社組織の中で従業員として活動することで、安定した収入や年金などの社会保険だけでなく、会社員としてのステータスを得ることができます。

 

一方、エジプトでは会社勤めによって得られるのは出産休暇の際などの有給休暇  (=仕事をしなくてもお金がもらえる!) 程度で、社会保険料を支払っても安心感はほとんどありません。

 

そんな社会では、仕事中であっても家族やプライベートの連絡を優先するのは当然と考えられ、会社の仕事を片付けるために残業するよりは、宗教的な活動で徳を示すことで知人の信頼を獲得することの方が優先されるということを、日本企業も理解する必要があります。

 

 

■「テストの結果がすべて」、規律軽視の教育制度

 

日本人がなかなか予想できない違いとして、エジプトの格差社会と、教育の仕組みが挙げられます。

 

エジプトは宗教もイスラム教とキリスト教(コプト教)の違いがあり、方言も大きく異なる地域があるなど、多種多様な人々が暮らしていると言われますが、そうした目に見える違いよりももっと深刻なのは、社会階層の違いにより、住む場所も生活スタイルも全く異なる暮らしをしているということです。

 

その社会格差を生んでいる原因ともいえるのが、テストの成績重視で進められるエジプトの教育制度です。

 

そもそも、お金持ちの家の子供であれば、幼少期からテストで高得点が取れるような教育を丁寧に行う学校に進学するのが一般的なのですが、その中でも成績のよい人が持ち上げられ、また良い学校に進むということで、学校の格差も大きいです。

 

カリキュラムは存在していても、それをどこまで吸収するかは個人の能力次第と考えられているため、教員の側も、日本の学習指導要領のように、学生ひとり一人がきちんと修了できるよう、できない人をサポートするという対応をしません。

 

結果として、上流社会の人であればどこへ行っても通用するような国際的文化人に育つ一方、低所得者層では簡単な算数もままならないような水準の個人が多くなります。

 

同じように「読み書きのできる事務員」を採用したとしても、その能力には大きな差がある可能性がある点、またエジプト労働者の大多数が、マニュアルを読んで作業要領を覚えるような教育を受けて育っていないという点を、企業の採用担当や経営者として、知っているべきだと言えます。

 

 

■「平凡=落伍」、サクセスストーリーこそがすべての実力社会

 

もう一つ、日本とエジプトが大きく異なるのは、「普通であること」に対する認識です。

 

日本では、目立たないことが悪いことではなく、平凡でも規則を破らず、コツコツ努力していれば報われる社会制度が確立されています。

 

また、高齢化も進み、人材不足に悩む企業が多い中で、労働市場は完全に売り手市場です。

 

しかしエジプトでは、労働市場は完全に買い手市場です。

 

まだ失業率も高く、競争が激しいなかで、平凡な人材は無能であるのとほぼ同義で、定収入の生活から脱却できないばかりか、結婚や子育ても難しくなってしまいます。

 

そのため、一般的なエジプト人は、何とか知恵を絞って人と違うことをしてひと儲けしようと、サクセスストーリーを追い求めて機会を探すことになります。

 

それがゆえに、企業の従業員として従順に働くよりは、自分のビジネスを始めるチャンスがみつかれば、よほどのことがなければ仕事を辞めずにはいられないということを、会社の側は理解している必要があるといえます。

 

 

以上、エジプトの従業員の特徴についてお伝えしました。

 

まとめれば、組織や規則を重視せず、まとまりのない個人主義で、文字を読んで仕事を覚えることすらできないのに、独立してひと旗揚げようと虎視眈々と期を見計らっている人間が大多数ということになりますが、その裏には、厳しい環境でも柔軟に対処し、自分の生活にとって何が重要かを常に意識して決断できる人材が多く、 自分の成功のためにハングリーになれるエジプト人が多いということでもありま す。

 

どのような従業員を採用するかという人事の面で、またエジプト人とどのようにビジネスをするかという一般的な意味で、こうした背景も、知っておいて損はないのではないでしょうか。

 

記事:近藤 貴政

 

参照: https://www.hofstede-insights.com/country-comparison/egypt,japan/

    https://www.ilo.org/africa/countries-covered/egypt

 

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