ピラミッドとスフィンクス
エジプトに暮らしていると、レストランやスーパー、カフェなどではカード決済が使える時もありますが、やはり大部分は「現金社会」であることを強く実感します。
加えてチップ文化も根付いているため、現金は日常生活において欠かせない存在です。
中央動員統計局や世界銀行のデータによると、エジプトの携帯電話の普及率は人口比を超えており、スマートフォンの利用が急速に広がっています。
一方で、銀行口座の保有率は2021年時点で約26%にとどまっており、日本(成人の約98%が銀行口座を保有)と比べると依然と低い水準です。
つまり、「スマホはあるけれど銀行口座を持たない」という層が厚く、それが現金文化を支えている要因のひとつになっていると考えられます。
しかし一方で、コロナウイルスの影響やスマートフォンの普及率の上昇、さらにエジプト中央銀行キャッシュレス決済推進策などを背景に、「デジタル決済への移行」が少しずつ進みつつあります。
グラフは2024年にPCMIが発表したもので、エジプト含むアフリカ全体で、「現金社会」から「デジタル決済社会」へ移行していることを示しています。
エジプトだけでなくアフリカ各国でデジタル決済社会への移行の変化が起きているようです。
エジプトで現在、「銀行口座がなくても使える電子決済」として広がっている代表的なものとしてFwaryが挙げられます。
2009年に設立され、現在エジプト最大電子決済プラットフォームとなっており、公共料金(電気・水道・ガス)、携帯電話のチャージ、インターネット料金など、生活に欠かせない支払いを一元化できます。
「Fwary」の決済画面より
実際に映画のチケットを購入しようとすると、支払い方法として選ぶことができる
とはいえ、依然として現金文化は強く根付いており、完全なキャッシュレス社会になるには時間がかかると考えられます。
しかし、中国のWeChat PayやAlipay、インドのUPI、ケニアのM-Pesaが現金中心の社会を大きく変えたように、エジプトもQRコード決済やモバイルマネーが一気に広がる未来も決して遠くないかもしれません。
近年では、法定通貨と連動するステーブルコインやビットコインなど仮想通貨の存在も注目されつつあるため、それらを含む新たな決済手段の浸透によって、現金からデジタルへと移行する流れはさらに加速していくと考えられます。
*エジプトでは、一般的な仮想通貨取引所での売買、仮想通貨を使った支払い、仮想通貨関連のプロモーションなどは、無許可では法的リスクあり(2025.10.14現在)。
*エジプト政府・中央銀行は、将来的にエジプト・ポンドのデジタル版(CBDC、いわゆる「電子ポンド/e-ポンド」)を導入する計画があるとの報道も。
以上、今回はエジプトのデジタル決済の可能性についてでした。
インターン : 福島奈緒
参考:What is Fawry in Egypt and why it matters for local payments
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