ピラミッドとスフィンクス
今回は、エジプトのフィンテック企業に関するニュースです。
エジプトのMNT-Halanは、2024年8月8日のプレスリリースにて、トルコの金融機関 Tam Finansを100%買収したと発表しました。
Tam Finansは、中小企業向けの事業者が保有する売掛債権などを期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスである『ファクタリングサービス』を展開しており、トルコのノンバンクとして唯一、人工知能(AI)ソフトウエアの研究開発部門を持つのが特徴です。
MNT-HalanはTam Finansのリスク管理モデルや流通能力、経営陣、自社の技術、顧客向けアプリケーション、金融業界への知見を活用して、トルコ市場に進出するとのことです。
MNT-Halanは、エジプトや近隣諸国の700万人に対し、個人向け少額ローン、中小企業向け金融、キャッシュレス決済、ECプラットフォームなどのサービスを提供しています。
画像:MNT-Halan 公式HPより
2021年9月には1億2,000万ドル、2023年1月には4億ドルの資金調達を達成し、全世界で唯一誕生のユニコーン企業となったMNT-Halan。
さらに、2024年7月19日 には、 国際金融公社(IFC)などから総額1億5,750万米ドルの資金調達を行ったことも発表。
エジプトのスタートアップの多くが湾岸諸国を目指す中で、8,500万人の人口を抱えGDPが1兆ドルを超えるトルコの金融市場での成長の可能性を見込んでいます。(家計債務対 GDP 比率はわずか 11.7% )
創業者兼最高経営責任者(CEO)のMounir Nakhla氏は、今回の資金調達について、トルコとエジプトの歴史と文化は何百年も絡み合っており、現在の経済見通しは明るい未来を示しているとし、引き続きエジプトを主要市場としつつ、国外展開にも注力するとしています。
M&Aにより、MNT-Halanのテクノロジー、業界知識と、パートナー企業の現地市場への知見、経営能力、ライセンスを活用する戦略が投資家の信頼を得たとのことです。
エジプト発のフィンテックによる国境を越えた金融サービスの拡大に今後も注目です!
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