ピラミッドとスフィンクス
今回は、エジプトの風力発電市場についてです。
2022年4月4日、風力発電に関する国際業界団体の世界風力会議(GWEC)が発表した「グローバル風力レポート2022」によると、2021年の世界の風力発電の累計総容量は前年比12.3%増の837ギガワット(GW)で、新規風力発電容量は前年比1.8%減の93.6GWだったそう。
そのうち、陸上の新規風力発電容量については全体では18%減のなか、中東・アフリカ地域では2.2倍と過去最高の伸びを記録!
報告書では、2022年から2026年までの5年間で世界の風力発電の新規容量は557GWになると予測。
そのうち、中東・アフリカ地域が14GWを占め、エジプトは、2.2GWの成長見込みとのこと。
ちなみに、アフリカ最大の風力発電市場は、南アフリカで、次いでエジプトとなっています。
(画像:GWEC「グローバル風力レポート2022」より)
エジプトは、2022年の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)の開催国。
国際機関の協力のもと、再生可能エネルギーなどに積極的に取り組む姿勢を見せるエジプト政府。
日本の国際協力機構(JICA)も、太陽光や風力発電を支援するなど、外国企業からの投資も積極的に受け入れています。
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報告書では、エジプトについて、東西ナイル地域で31GW 以上、排他的経済水域(EEZ)で166GWの発電容量を確保できる点が挙げられ、風力発電の潜在性の高さが評価されています。
ちなみに、エジプトでは、2019年現在、発電量の約9割が天然ガスと石油に由来。
(画像:GWEC「グローバル風力レポート2022」より)
人口増加や経済自由化、国外直接投資などがエジプトの電力需要を増大させるほか、再生可能エネルギーへの国民の関心も高いといいます。
そうした中、2035年までに電源構成の再エネの割合を42%、そのうち風力は14%にするという目標を掲げるエジプト政府。
日本の豊田通商も、IPP(独立系発電事業者)事業に参画しています。
現在、開発が進む新行政首都(New Capital)でも、再生可能エネルギーの活用が掲げられ、スマートシティとしての開発が着々と進められています。
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新行政首都(New Capital)の様子
電気自動車(EV)の普及も進むエジプト
さらに、今後は民間企業の力が重要との見解も。
新たな商機に、更なる外国企業の参入も見込まれそうです。
エジプトの再エネ分野に今後も注目していきたいところです。
ということで、今回は、エジプトの風力発電市場についてでした。
必要とする方の参考になれば幸いです。