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このブログでは、エジプトのポジティブな情報をお伝えしています。
ピラミッドとスフィンクス
今回は、エジプトの教育事情について。
日本とは異なる、エジプトの幼児教育について、思うことを綴ります。
ルクソールの幼稚園
まず、教育制度について。
エジプトの教育制度は、日本と基本的に同じです。
小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、大学4年間となっています。
そのうち義務教育は、小・中学校の9年間です。
エジプトには、公立校のほか、原則として英語やフランス語のみで授業を行う「ランゲージ校」と呼ばれるインターナショナルスクールも多く存在します。
特に、首都のカイロ圏には、ブリティッシュスクールやアメリカンスクール、カナディアンスクールなど、豊富にあります。
(カイロには、日本国籍を持つ子どもを対象とした日本人学校もあります)
インターナショナルスクールの多くは、幼稚園から高校までの一環教育。
高い語学教育、国際社会で活躍できる人材育成を目指しつつ、愛国心や宗教心を尊重できる人間に育てるため、母国語であるアラビア語やエジプト文化の理解にも力を入れていると謳う学校も。
ちなみに、エジプトでは公立・私立を問わず、制服のある学校が多く、ポロシャツとズボンが定番。
私立大学の学生たち
そんなエジプトの教育において、わたしが特に日本とは大きく異なると感じるのが、幼児教育。
何が違うのかというと、一番の違いは、早期教育。
エジプトでは、4歳〜就学前の子どもをゲージ1・2とし、2年間の就学前教育が行われています。
(保育園は、生後6ヶ月〜利用可能!)
うちの息子も、エジプトに滞在している時は、カイロではザマレクにあるインターナショナルスクール
ルクソールでは、(自称)モンテッソーリ教育を取り入れているという、私立のキッズスクールに通っています。
(2週間〜スクールに入れられるのが、エジプトの魅力!)
ちょっと変な話ですが、子どもの誘拐なども普通にあるのがエジプト。
そんなエジプトのスクールでは、セキュリティ対策は万全。
その辺は、日本の園よりもしっかりしているところも多く、感心しています。
また、愛情表現が豊かなのも、エジプト人の良いところだと思っています。
我が子に、愛情いっぱいのキス&ハグは、当たり前。
我が子でなくとも、エジプト人は、子供好きな人が多く、子どもをとても可愛がってくれます。
こういった背景からか、エジプト人の子どもは、愛情一杯に育ち、自己肯定感や自尊心が高い子が多いのも特徴かなと思います。
一方で、わたしが気になっているのは、早期教育に対する考え方と、幼児教育に対する大人の姿勢です。
例えば、うちの息子は、3歳からザマレクのインターナショナルスクールに預けていたのですが
驚いたのは、語学教育がもう始まっていること!
その学校の場合、息子の学年では、語学は必須で、英語かフランス語どちらかを選んで学びます。
語学学習の時間は、英語のクラスとフランス語のクラスにそれぞれ分かれ、レッスンしていました。
1日学校見学させてもらいましたが、スケジュールのメインは、遊びではなく語学学習。
音楽に合わせて歌ったり、というような授業もありましたが、ガッツリと、アルファベットの読み書きまで!
子ども送迎時の先生と親との会話も、「今日は何を勉強したか、何ができて、何ができなかったか」がメイン。
また、エジプトのスクールは、昼寝の時間を設けていないところがほとんど。
(寝てしまった子は、寝かせておくという感じ)
外遊びの時間もあることはあるのですが、時間は30分程と短く、なんと砂場は使用禁止。
先生に伺うと、「汚れるから」とのことでした。
親達も、服が汚れるから嫌がるのだそう。
ルクソールのスクールも見学させてもらいましたが、語学教育と先生(大人)の姿勢は同様。
外遊びがゼロのスクールもありました。
エジプトでは、語学教育制度を売りにしている私立学校が多く、また、それを望む親達が多いのも事実。
確かに、観光大国であるエジプトでは、3〜4ヵ国語を操る人も多く、語学が仕事や収入に直結するケースも日本よりはるかに多いです。
また、エジプトは、試験傾斜の教育であり、試験結果のみで進学先が決まってしまうという現状も。
親は、子どもの将来を期待し、良い成績を出して良い進学先へ進んでもらおうと、早期教育に熱心になる。
そういった背景もあり、決して余裕があるわけではない家庭でも、子どもの教育には出し惜しみしない親も多いのだとか。
しかし、早期教育、特にエジプトの試験傾斜の教育は、子どもたちの自己成長力の発展を妨げることもあるのではないかと考えてしまいます。
砂場にある遊具も使用禁止
(なんのための砂場?笑)
ある時、JICAの青年海外協力隊として、フルガダの公立幼稚園に派遣されていた先生に、ルクソールでお話を伺う機会がありました。
先生いわく、子ども達が遊べる遊具を手作りしてみても、先生が飾ってしまう(つまり遊べない)とか
子ども達に「作ってみて」と言っても、自分たちで考える力が身に付いておらず、まるっきり先生の作品を真似してしまうとか
先生が、先に答えに導いてしまい、子ども達のやる気が削がれてしまう、などの課題があったと教えてくれました。
また、JICAのエジプト日本学校プロジェクト(EJS)に関わっている大学教授の杉田先生に、ルクソールでお話を伺う機会もありました。
教授のお話では、プロジェクト参加校の子どもたちは確実に変わってきているけれど、中間層以上がメインで、全体的に行き渡らせるのには、時間もかかるだろうと仰っていました。
園から帰宅後、自宅の裏庭で遊ぶ息子
うちの息子の場合、日本の園では、めいっぱい外遊びを楽しんでいるため、エジプトの園では物足りないのか、帰宅してからのはしゃぎ具合とぐずり具合が、すごい。笑
少なくとも、うちの息子は、欲求不満を感じているのが目にみて取れました。
様々な歴史的背景や、教育理念の違い、文化や習慣の違いや、教育省の方針、子どもに合う合わないもあるので、どちらの教育が正しいとか、善悪を問うつもりはありません。
ただ、息子を見ていて思うことは、遊ぶべき年齢の時には、しっかりとたっぷりと遊ばせてあげたい。
遊びから学ぶこと、得られることは、この年齢の子どもには、とても大切なことなんじゃないかと思います。
また、五感を最大限に使って、発見する楽しさや好奇心を育んであげたいとも思います。
ナイル川沿いを探検!
ということで、今回は、日本とは異なるエジプトの教育事情について思うことを綴らせていただきました。
必要とする方の参考になれば幸いです。
こちらのブログでは、様々な視点からエジプト情報を発信していますので、またご覧頂けると嬉しいです!
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